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技術コラム

TECHNICAL COLUMNS

通気性の低下を抑える生地の貼り合わせ加工とは?当社のドット加工の特徴を解説

生地の貼り合わせ加工は、異なる素材を組み合わせ、それぞれの特性を活かした複合素材をつくるための加工方法です。

一方、接着方法によっては通気性や柔軟性、ストレッチ性といった生地本来の特性が損なわれる場合があります。そこで重要になるのが、接着剤の種類や塗布方法です。

本記事では、生地の貼り合わせ加工の基本から、ボンディング・ラミネート・コーティングの違い、一般的な課題、通気性を保ちやすいドット加工、東洋染工の貼り合わせ技術まで詳しく解説します。

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生地の貼り合わせ加工とは

生地の貼り合わせ加工とは、接着剤などを用いて2種類以上の素材を一体化し、1枚の複合素材に仕上げる加工です。「ボンディング加工」と呼ばれることもあり、織物と編物、生地とフィルム、生地と不織布など、異なる特性を持った素材を組み合わせることができます。

貼り合わせる大きなメリットは、単一の素材だけでは実現しにくい機能や風合いを付与できることです。例えば、表側にはデザイン性や耐久性に優れた生地、裏側には肌触りや保温性に優れた生地を使用することで、それぞれの長所を備えた素材を設計できます。

また、防水・透湿フィルムと生地を組み合わせることで、外部からの水の浸入を抑えながら、衣服内の水蒸気を外へ逃がすといった機能を持たせることも可能です。

このように、生地の貼り合わせ加工は衣料品だけでなく、寝具、介護用品、車両関連、各種産業資材など、幅広い製品設計に活用されています。

 

生地を縫い合わせる方法との違い

生地同士を一体化する方法としては、貼り合わせ加工のほかに縫製があります。

縫製は、糸を使用して生地同士を物理的につなぐ方法です。必要な箇所を線状に接合でき、縫い方や糸、生地の組み合わせによって柔軟な設計ができます。ただし、基本的には縫い目を中心とした接合になるため、面全体を均一に一体化させる用途には向いていません。

一方、貼り合わせ加工では、接着剤を利用して生地同士を面で一体化できます。異素材を積層した複合生地をつくりやすく、防水・透湿フィルムを組み合わせるなど、機能性を付加する設計にも適しています。

ただし、接着剤の塗布量や配置、樹脂の種類などが適切でなければ、生地の柔軟性や通気性、伸縮性に影響を与えることがあります。そのため、貼り合わせ加工では「何を貼るか」だけでなく、「どのように接着するか」まで含めた設計が重要です。

 

ボンディング・ラミネート・コーティングの違い

貼り合わせ加工を検討するときに混同されやすいのが、ボンディング、ラミネート、コーティングです。いずれも生地に新たな機能を持たせるために利用されますが、基本的な加工方法には違いがあります。

 

ボンディング加工とは

ボンディング加工は、一般に2種類以上の素材を貼り合わせて一体化する加工です。生地同士だけでなく、生地とフィルム、生地と不織布などを組み合わせることもできます。

異なる素材の特性を組み合わせられるため、表裏で異なる風合いを持たせたり、保温性や防水性などを付与したりと、目的に合わせた複合素材の設計が可能です。

 

ラミネート加工とは

ラミネート加工は、生地の表面などにフィルムを貼り付ける加工です。フィルムが持つ性質を生地に加えられるため、防水性などの機能を付与する目的で用いられます。

生地と機能性フィルムを組み合わせるケースでは、広い意味でボンディングとの境界が分かりにくいこともあります。そのため、加工を依頼する際には名称だけで判断せず、「どの素材とどの素材を、どのような目的で一体化したいか」を明確にすることが重要です。

 

コーティング加工とは

コーティング加工は、生地表面に樹脂剤などを塗布し、皮膜や機能層を形成する方法です。

別の生地やフィルムを貼り合わせるボンディング・ラミネートとは異なり、基本的には樹脂そのものを生地に塗布する点が特徴です。使用する樹脂や加工条件によって、防水性などさまざまな機能を付与できます。

 

加工方法基本的な仕組み主な特徴代表的な用途・目的
ボンディング2種類以上の素材を貼り合わせる異素材の特性を組み合わせやすい複合生地、衣料、産業資材など
ラミネート生地にフィルムを貼り付けるフィルムの機能を付与できる防水・透湿用途など
コーティング生地に樹脂剤を塗布する生地表面に機能層を形成できる防水などの機能付与


製品に求める機能や風合い、耐久性などを整理したうえで、適切な加工方法を選定することが大切です。

 

一般的な貼り合わせ加工で発生しやすい課題

生地の貼り合わせ加工では、複数の素材を一体化できる一方、接着剤や加工条件によって生地本来の性能や風合いが変化することがあります。代表的な課題を確認しておきましょう。

 

通気性が低下する

接着剤で生地表面を広く覆うと、生地に存在する空隙がふさがれ、空気や水蒸気が移動しにくくなる場合があります。

特に衣料品や寝具など、着用時・使用時の快適性が重要になる製品では、通気性への影響を考慮する必要があります。

接着強度だけを重視するのではなく、必要な接着性能を確保しながら、接着剤で覆う面積をどこまで抑えられるかがポイントになります。

 

生地が硬くなる

接着剤が広い範囲に連続して存在すると、接着層そのものが生地の動きを制限し、貼り合わせ後の生地が硬く感じられることがあります。

特に薄地や柔らかなニットなどでは、加工前後の風合いの変化が製品品質に直結します。そのため、接着剤の種類だけでなく、塗布量や配置方法も重要です。

 

ストレッチ性が低下する

伸縮性の高い生地を貼り合わせる場合、接着層が生地の伸びに追従できなければ、素材本来のストレッチ性を十分に活かせないことがあります。

スポーツウェアやサポーターなど身体の動きへの追従性が求められる用途では、生地だけでなく接着樹脂の特性や接着方法も含めて設計する必要があります。

 

接着剤が生地表面に染み出す

薄手の生地や目の粗い生地では、接着剤の量や粘度、加熱・加圧条件などによって、樹脂が生地表面へ影響することがあります。

表面に樹脂が現れると、外観や手触りを損なう可能性があります。そのため、素材の厚さや組織、用途を確認したうえで、樹脂の種類や塗布量、加工条件を調整することが重要です。

 

通気性を保ちやすいドット加工とは

貼り合わせ加工による通気性や風合いへの影響を抑える方法の一つが「ドット加工」です。接着剤を全面に連続塗布するのではなく、必要な箇所へ点状に配置することで、接着性能と生地本来の特性の両立を図ります。

 

接着剤を点状に配置する加工方法

ドット加工とは、接着剤を生地全面に塗布するのではなく、細かな点状に配置して素材同士を接着する方法です。接着されていない部分を残すことで、空気や水蒸気の通り道を確保しやすくなります。

さらに、接着剤が存在する面積を必要最小限に調整することで、生地全体が樹脂層で固定されにくくなります。そのため、柔らかな生地や伸縮性を持つ素材の特性を活かした貼り合わせにも適しています。

 

ドット加工で通気性の低下を抑えられる理由

ドット加工のポイントは、接着部分と非接着部分を設けられることです。

全面に接着剤を塗布すると、接着層が連続して形成され、生地の空隙を覆いやすくなります。一方、ドット加工では接着剤を点状に配置するため、ドットとドットの間には接着剤で覆われていない領域が残ります。

この領域が空気や水蒸気の移動経路として機能しやすいため、全面接着と比較して通気性への影響を抑えた設計が可能です。

ただし、通気性や透湿性は接着方法だけで決まるわけではありません。基布の組織や厚み、組み合わせるフィルムの性能、接着剤の種類、ドットの密度や加工条件などによって最終性能は変わります。求める性能に応じて、素材と接着条件を総合的に設計することが重要です。

 

当社の貼り合わせ加工における特徴

 

ドット加工技術で風合いと機能性を両立

当社では、ドット加工技術を活用した貼り合わせ加工に対応しています。ドット状に接着剤を配置することで、全面接着に比べて生地の柔らかさや通気性を保ちやすく、風合いと機能性の両立を図ることができます。

接着面積を必要以上に増やさないことで、生地の硬化を抑えながら、用途に応じた接着強度を確保できます。これにより、衣料用途や肌に触れる製品でも、快適性を損ないにくい貼り合わせ加工が可能です。

 

無溶剤ホットメルトで環境配慮と機能性を両立

当社では、無溶剤ホットメルトによる貼り合わせ加工にも対応しています。ホットメルトは、加熱によって溶融した樹脂を用いて素材同士を接着する方法で、有機溶剤を使用しないため、環境負荷の低減にもつながります。

また、用途や素材に応じて樹脂を選定することで、柔軟性、接着強度、耐久性、防水性などを調整できます。環境配慮と機能性の両立が求められる製品開発において、有効な加工方法です。

 

あらゆる生地に対応しており、用途の幅を拡大

当社では、織物、編物、不織布、フィルム、合成皮革など、幅広い素材の貼り合わせ加工に対応しています。異素材を組み合わせることで、防水性、透湿性、防風性、クッション性、保温性、補強性、肌触り改善など、製品用途に応じた機能を付与できます。

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当社の生地の貼り合わせ加工事例のご紹介

足袋底生地の貼り合わせ加工

こちらは足袋へのホットメルト樹脂接着加工を施した足袋製品の加工事例です。特徴として、使用するホットメルト樹脂の量を精密に調整することで、実用に耐えうる十分な剥離強度を確保しつつ、生地に適度なハリと硬さを付与することができました。足袋への応用においては、生地へのホットメルト樹脂接着加工により、足袋本体の構造的な強度向上と、貼り合わせ部分のはがれにくさの向上という、二つの観点から耐久性を大幅に改善しました。

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生地の貼り合わせ加工でお困りの方は東洋染工にお任せください

今回は、生地の貼り合わせ加工についてご紹介しました。貼り合わせ加工は、スポーツウェア、アウトドア用品、介護用品、寝具、医療・衛生資材、産業資材など、幅広い分野で活用可能です。生地の貼り合わせ加工にお困りの方は、ぜひ当社にご相談ください。

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