キズつかない生地の高精度薄地加工を実現する当社の加工体制
軽量アウトドアウェアの裏地やインナーなど、「薄さ」と「軽さ」がそのまま製品価値になる領域が広がっています。その中心にあるのが薄地生地、とりわけ20g/㎡以下の極薄生地です。しかし薄地生地は繊細で、加工中のわずかな接触や張力の乱れがキズやシワとして残りやすく、高い品質を保つには高度な加工技術が求められます。今回は、薄地生地・極薄生地の特徴と加工の難しさ、そしてキズをつけずに高精度な薄地加工を実現する東洋染工の加工体制についてご紹介します。
薄地生地・極薄生地とは?

薄地生地とは、厚みが薄く軽い生地の総称です。生地の重さの指標は一般に「目付」=1平方メートルあたりの重さ(g/㎡)で表され、数値が小さいほど軽く薄い生地になります。
一般的な衣料用ニットが100〜200g/㎡前後であるのに対し、極薄生地と呼ばれる領域は20g/㎡以下にまで達します。ここまで薄くなると生地は光を透かすほど繊細で、軽量性と柔らかな肌あたりに優れる一方、手で触れただけでもキズや跡が残るほどデリケートになります。
こうした薄地生地・極薄生地は、かさばらない軽量アウトドアウェアの裏地、ダウン製品、ランジェリーやファンデーションといったレディスインナーなど、「軽さ」と「やさしい肌あたり」が直接的な価値になる製品で数多く採用されています。
薄地生地・極薄生地に使われる主な素材
薄地生地・極薄生地に使われる素材は、細い糸(細繊度フィラメント)を高い密度で編み立て・織り上げても十分な強度を保てることが条件になります。天然繊維よりも、細くても強度や寸法安定性を確保しやすい合成繊維、とりわけポリエステルとナイロンが主流です。東洋染工でも、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維を中心に薄地生地の染色整理加工を手掛けています。
ポリエステル
ポリエステルは、強度・寸法安定性・速乾性に優れ、薄地でも扱いやすい代表的な素材です。熱セット性が高く、加工後の形態安定にも優れます。一方で、薄いポリエステル生地は熱や張力の影響を受けやすく、加工時の温度・テンション管理が仕上がりを大きく左右します。
ナイロン
ナイロンは、軽量で摩耗に強く、柔軟性や引裂強度に優れるため、極薄でも破れにくい生地をつくりやすい素材です。ダウン製品の側地やアウトドアウェアの裏地など、「軽さ」と「強度」を両立したい用途で多く採用されます。発色や堅牢度の管理にノウハウを要する素材でもあり、薄地では特に均一な染色コントロールが求められます。
ポリウレタン混(ストレッチ素材)
伸縮性が求められる薄地には、ポリウレタン(弾性繊維)を混用したストレッチ素材が使われます。伸びと回復性を確保できる反面、ポリウレタンは熱や薬剤の影響を受けやすく、薄地では加工温度・張力・薬剤選定の管理がより重要になります。東洋染工では、ポリウレタン繊維の巾入れ(幅出し)や精練処理にも対応しており、扱いの難しいストレッチ素材の下地づくりから整えられる体制を持っています。
薄地生地・極薄生地の主な用途
薄地生地・極薄生地は、「軽さ」「かさばらないこと」「やさしい肌あたり」が価値になる製品で多く使われます。代表的な用途は次のとおりです。
・アウトドア・軽量ウェア:ダウン製品の側地・裏地、軽量ジャケットの裏地
・レディスインナー:ランジェリー、ファンデーションなど肌に直接触れる製品
・スポーツ:ベースレイヤーやメッシュ素材など軽量性・通気性が求められる用途
・産業・生活資材:軽量フィルターや資材など、均一な薄さと安定した物性が必要な用途
いずれの用途でも、薄さゆえのキズ・寸法変化・染めムラをいかに抑えるかが品質を左右します。
薄地生地・極薄生地の加工でよくある不良
薄地生地の加工品質は、設備の性能だけでなく、生地に「余計な力を加えない」搬送・張力設計に大きく左右されます。極薄生地の加工で起こりやすい課題は次のとおりです。
接触や搬送によるキズ・スレ
20g/㎡以下の極薄生地は、ローラーやガイドとの接触、搬送時のわずかな擦れでも表面にキズやスレが生じます。薄い生地ほど回復しにくく、そのまま不良として残ってしまうため、生地に触れる部分を極力減らす工程設計が欠かせません。
シワ・折れの残留
薄地生地は張力のかかり方や生地の通し方が乱れると、折れジワが発生しやすくなります。厚地であれば後工程で回復する折れも、極薄生地では跡が消えにくく、外観品質を損なう原因になります。
寸法変化と染めムラ
薄い生地は熱や張力の影響を受けやすく、幅や長さが動いて規格からブレやすい傾向があります。また、染料の入り方が均一になりにくいため、わずかな染めムラでも目立ちやすく、色の再現性・安定性を保つには繊細なコントロールが必要です。
キズをつけない当社の薄地加工の特徴
東洋染工は、この難易度の高い薄地・極薄生地の染色整理加工を主力とし、超薄地ニット加工の分野で技術を積み重ねてきました。以下に、当社がキズをつけずに高精度な薄地加工を実現している体制の特徴をご紹介します。
生地に負担をかけない染色と工程設計

当社では、ニット生地本来の伸縮性や柔軟性を損なわずに指定色へ染め上げるビーム染色機を用い、生地への負担を抑えた工程設計を行っています。繊細な極薄生地に余計な力を加えないことで、キズやシワを抑えながら均一な染色を実現します。
20g/㎡の超薄生地に対応するドットコーティング技術

コーティング工程では、20g/㎡といった超薄生地や伸縮性のあるストレッチ素材にも対応できるドットコーターを備えています。薄地であっても風合いを保ちながら、必要な機能や物性を付与できる点が当社の強みです。
全品目視検査による品質保証

仕上がりは、色彩・堅牢度・物性のロット抜き取り検査に加えて、全品目視検査を実施しています。繊細な極薄生地に生じるわずかなキズや異常も見逃さない体制で、外観品質と寸法・色の安定性を両立させています。
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当社の薄地加工の実績
極薄生地への染色仕上加工の事例

こちらはティッシュペーパーよりも軽量で、手で触れるだけで傷がつくほど繊細な極薄生地への染色仕上加工の事例です。特徴として、取り扱いに細心の注意を要するこの非常にデリケートな素材に対し、生地を傷めることなく均一で美しい染色仕上げを実現しています。非常に薄く傷つきやすい生地の特性上、加工工程の一つひとつに高度な技術と豊富な経験が求められますが、当社では長年にわたる加工ノウハウを活かし、継続して安定した品質を維持しております。
>>極薄記事の染色仕上加工事例の詳細はこちら
キズのない高精度な薄地加工は東洋染工にご相談ください
当社は昭和38年(1963年)の創業以来、染色整理加工に取り組んできた創業60年余のメーカーです。品質マネジメントシステムのISO9001に加え、環境・健康・安全の面で世界でも厳しい基準の一つとされるbluesign®(ブルーサイン)、繊維製品の安全性を評価するOEKO-TEX® STANDARD 100(エコテックス規格100)の認証を取得しています。
薄地生地・極薄生地は、軽さ・柔らかさという魅力の裏側で、キズ・シワ・寸法変化・染めムラといった加工リスクを抱えています。これらを抑え込むには、生地に負担をかけない工程設計と、細部まで管理された品質保証体制が欠かせません。
当社は超薄地ニットの染色整理加工を得意とし、20g/㎡クラスの極薄生地にも対応してきました。繊細な薄地・極薄生地においても、機能性と安全性・環境配慮を両立した加工をご提供します。薄地生地・極薄生地の加工をご検討の際は、ぜひ東洋染工にご相談ください。

