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技術コラム

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冬用インナーの汗冷え対策|汗冷えしないインナーのための繊維加工とは

冬の運動や屋外作業では、防寒のために保温性の高いインナーが選ばれやすい一方で、「動いている間は暖かいのに、休憩時や作業後に急に冷える」という汗冷えの課題が起こりやすくなります。冬インナーの汗冷えを防ぐには、単に暖かい素材を使うだけでなく、汗を素早く処理し、肌面を濡れた状態にしにくい設計が重要です。本記事では、汗冷えが起こる仕組みと、汗冷えしないインナーを冬向けに設計する際に重視したい機能について解説します。

 

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冬用インナーで汗冷えが起こる理由

冬用インナーで汗冷えが起こる背景には、運動や作業による発汗、汗を含んだ生地の肌への密着、活動停止後の体温低下が関係しています。外気温が低い環境では、わずかな濡れでも冷たさを感じやすく、インナーの素材設計や編み組織によって快適性に大きな差が出ます。

 

運動中に体温が上がり、必要以上に汗をかく

冬は気温が低いため、着用前は「できるだけ暖かいインナー」を選びたくなります。しかし、スポーツや登山、屋外作業などで身体を動かすと、体温は上昇し、衣服内の温度も高くなります。保温性が高すぎるインナーを着用していると、熱がこもりやすくなり、身体は体温を下げるために発汗します。 このとき問題になるのは、冬場でも想像以上に汗をかくことです。気温が低い環境では汗をかいている実感が少ない場合もありますが、衣服内では水蒸気や液体状の汗が発生しています。汗の発生量に対してインナーの吸水性や速乾性が不足していると、汗が生地内に残り、汗冷えの原因になります。  

 

生地に残った汗が肌へ密着する

汗冷えは、汗そのものが発生するだけでなく、生地に残った水分が肌に触れ続けることで起こりやすくなります。インナーが汗を吸っても、その水分が肌面に残ったままだと、濡れた生地が皮膚に密着し、冷たさやべたつきにつながります。 特に冬用インナーでは、柔らかく厚みのある生地や起毛素材が使われることがあります。これらは空気を含みやすく保温性を高めやすい一方で、汗を含むと水分保持量が増え、乾きにくくなる場合があります。生地が肌に張り付くと、体表面から熱が奪われやすくなり、暖かさを目的としたインナーであっても不快な冷えを感じることがあります。  

 

運動や作業を止めた後に身体が冷える

汗冷えが特に起こりやすいのは、運動や作業を止めた直後です。活動中は筋肉が熱を生み出しているため、多少インナーが濡れていても寒さを感じにくいことがあります。しかし、休憩や移動待ち、作業終了後などで身体の発熱量が下がると、濡れた生地の影響が一気に表れます。 肌に近い層に水分が残っていると、蒸発時に熱が奪われるだけでなく、外気の低さによって濡れた生地自体が冷たく感じられます。冬インナーの汗冷え対策では、活動中の暖かさだけでなく、活動量が下がった後も肌面を冷やしにくいことが重要です。

 

冬用インナーは保温性だけで選べばよいとは限らない

冬用インナーの開発では、保温性は重要な要素です。しかし、保温性だけを高めても、汗を適切に処理できなければ、かえって汗冷えのリスクが高まることがあります。暖かさとドライ感を両立させるためには、素材の厚み、吸湿発熱機能、吸水後の水分移動などを総合的に考える必要があります。  

 

厚手の生地は汗を多く含み、乾燥に時間がかかる

厚手の生地は空気層をつくりやすく、保温性を高めるうえで有効です。一方で、生地量が多いほど汗を含む余地も大きくなり、濡れた後の乾燥に時間がかかる傾向があります。特に肌面に水分が残りやすい構造では、着用者は暖かさよりも冷たさや重さを感じやすくなります。 冬用インナーでは、単純に厚くすればよいわけではありません。必要な保温性を確保しながら、汗を肌面から外側へ移動させ、乾燥しやすい状態をつくることが求められます。軽量でありながら空気を保持できる組織設計や、汗を拡散しやすい繊維構成が重要になります。  

 

吸湿発熱機能だけでは液体状の汗に対応しにくい

冬用インナーでは、吸湿発熱機能を持つ素材が採用されることがあります。吸湿発熱は、主に身体から出る水蒸気を繊維が吸着する際の熱を利用する考え方です。着用初期や軽い活動時には暖かさを感じやすい一方で、大量に汗をかく場面では液体状の汗への対応が課題になります。 運動強度が高い場合や、重ね着によって衣服内が蒸れやすい場合には、水蒸気だけでなく液体の汗が発生します。吸湿発熱機能だけに頼ると、発汗量が増えた際に生地内の水分が処理しきれず、濡れ感や冷えにつながる可能性があります。汗冷えしないインナーを冬向けに考える場合は、吸湿発熱に加えて、吸水性、速乾性、肌離れ性を組み合わせることが大切です。  

 

汗を吸うだけでは肌面の濡れやべたつきを防げない

汗を吸う機能は重要ですが、吸った汗がその場にとどまってしまうと、肌面の濡れやべたつきは解消されません。インナーに求められるのは、汗を素早く取り込むことに加え、その水分を肌から離し、生地全体へ広げて乾かしやすくすることです。 たとえば、肌側は汗を素早く通過させ、外側で拡散・乾燥させるような設計にすることで、肌面のドライ感を保ちやすくなります。また、濡れた生地が肌へ張り付きにくい構造にすることで、冷感や不快感を軽減できます。冬インナーの汗冷え対策では、「吸う」だけでなく「離す」「広げる」「乾かす」までを一連の機能として設計することが重要です。  

 

汗冷えしにくい冬用インナーに必要な機能

汗冷えしにくい冬用インナーには、保温性、吸水性、速乾性、肌離れ性のバランスが求められます。これらの機能は単独で考えるのではなく、着用環境や運動量、重ね着の条件に合わせて組み合わせることで、冬場でも快適性を維持しやすくなります。  

 

身体の熱を逃がしにくくする保温性

冬用インナーにおいて、保温性は基本となる機能です。寒冷環境では、身体から発生した熱を逃がしにくくすることで、体温低下を防ぎます。繊維間に空気を保持する構造や、肌に近い層で暖かさを感じやすい素材設計は、冬用インナーの価値を高める要素です。 ただし、保温性を高めすぎると、活動時に熱がこもり、発汗量が増える場合があります。そのため、保温性は高ければ高いほどよいのではなく、使用シーンに合った適切なレベルに調整することが重要です。運動量の多い用途では、過度な保温よりも、熱と湿気を適度に逃がす設計が汗冷え防止につながります。  

 

汗を素早く取り込む吸水性

吸水性は、肌表面に発生した汗を素早く生地へ取り込むために欠かせない機能です。汗が肌上に残る時間が長いほど、べたつきや濡れ感が出やすくなります。吸水性の高いインナーは、汗を素早くキャッチすることで、肌表面の不快感を軽減します。 ただし、吸水性が高いだけでは十分ではありません。取り込んだ汗が肌側に残ってしまうと、冷えの原因になります。そのため、吸水した水分を次の段階でどのように移動させるかが重要です。繊維の親水性、糸の構造、編み組織の設計によって、水分の取り込みやすさと移動しやすさを調整することができます。  

 

水分を拡散して乾燥を促す速乾性

速乾性は、インナーに取り込まれた汗を素早く乾かすための機能です。汗が局所的にたまると、生地の一部が冷たくなり、肌への不快感が強まります。水分を生地全体へ拡散させることで、蒸発面積が広がり、乾燥を促しやすくなります。 冬場は外気温が低く、重ね着によって衣服内の湿気が逃げにくいこともあります。そのため、速乾性を発揮するには、素材そのものの乾きやすさだけでなく、汗を外側へ移動させる層構造も重要です。肌側から中間層、外層へ水分をスムーズに移す設計にすることで、冬インナーの汗冷えを軽減しやすくなります。

 

濡れた生地を肌へ密着させない肌離れ性

汗冷え対策で特に重要なのが、肌離れ性です。肌離れ性とは、汗を含んだ生地が肌へべったり張り付きにくい性質を指します。たとえ生地が汗を吸っていても、肌との接触面が濡れた状態になりにくければ、冷たさや不快感を抑えやすくなります。 肌離れ性を高めるには、凹凸のある編み組織や、肌側の接触面積を抑える構造、汗を外側へ移動させる繊維配置などが有効です。肌面に水分を戻しにくい設計にすることで、休憩時や活動停止後の冷えを軽減できます。汗冷えしないインナーを冬向けに開発するうえでは、保温性と同じくらい肌面のドライ感を維持する発想が重要です。  

 

当社のべたつき防止加工技術「アクアホール」とは

アクアホールは、東洋染工独自の「薄層アクアホールテクノロジー」を活用し、優れた吸水性と快適なドライ感を両立する機能性加工です。生地全体に吸水性を付与しながら、肌に接する凸部のみに撥水加工を施すことで、汗を凹部から素早く吸収し、凸部は乾いた状態を保ちます。これにより、従来の吸水速乾素材で生じやすかった肌へのべたつきや汗冷えを軽減し、さらりとした快適な着用感を実現します。

 

ポイント①:凹凸制御で実現する“片面ドライ構造”

アクアホールは、生地表面の凹凸それぞれに異なる役割を持たせた独自の機能性加工です。凹部が汗を素早く吸収する一方、肌に接する凸部には撥水性を付与することで、肌側への水分の広がりを抑えます。これにより、一般的な吸水速乾素材で起こりやすい濡れ感やべたつきを軽減し、さらりとした快適な着用感を保ちます。  

 

ポイント②:数値で証明された圧倒的サラサラ性能

肌面の濡れ具合は、独自の評価基準である「アクアホール指数」を用いて数値化しています。未加工布の指数が数十%であるのに対し、アクアホールは10%以下を記録。優れたドライ性能を、着用時の感覚だけでなく客観的な数値によって確認しています。

※数値が小さいほうがドライ性能が高い評価方法としております。

詳しくは資料ダウンロードもしくはお問い合わせをお願いします。  

 

ポイント③:フッ素フリー×高耐久で安心して使える

アクアホールは、PFASを使用しないフッ素フリー加工でありながら、優れた洗濯耐久性を備えています。ポリエステル素材では50回以上、使用条件によっては100回の洗濯後も機能を維持し、安全性と持続性の高い性能を両立しています。さらに、エコテックス®スタンダード100にも準拠しており、スポーツウェアやアウトドア製品など、繰り返し洗濯される用途にも適した機能性加工です。

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まとめ

今回は、冬用インナーの汗冷え対策と、保温性だけで選ぶと冷えやすい理由についてご紹介しました。冬用インナーでは、身体の熱を逃がしにくくする保温性に加えて、汗を素早く取り込む吸水性、水分を広げて乾燥を促す速乾性、濡れた生地を肌へ密着させにくい肌離れ性が重要です。 特に運動や屋外作業など発汗を伴うシーンでは、厚手で暖かいだけのインナーでは汗が生地内に残り、休憩時や作業後に冷えを感じやすくなります。快適な冬用インナーを設計するためには、着用中の暖かさだけでなく、汗をかいた後のドライ感まで考慮した素材選定と構造設計が欠かせません。 東洋染工では、スポーツウェア、アウトドアウェア、防寒インナーに関する素材選定や機能設計の豊富な実績があります。冬インナーの汗冷え対策や、用途に合わせた機能性素材の開発でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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